日英の肉比較 牛肉 モモ ウチモモ編
投稿日:2018年05月27日(日)
前回はモモ部位のランイチでしたので、引き続きモモ部位について書きます。
今回はウチモモ編です。
モモの内側=後ろ足の付け根内側部分のお肉です。
肉のキメが粗く、赤身の部位なので、かたくなりやすいため、火を通しすぎない調理法、薄くスライスするのが◎。なので、ローストビーフでよく使われます(^^)
ウチモモの部位の説明
下の写真は、牛肉の半丸(背割りした状態)の左部位です。上が後ろ足/お尻の方で、下が前足/首です。牛さんが逆立ちしている状態です。この水色に囲んだ部分を、日本語ではモモ、英語では、形が丸いからラウンド(round)といいます。
モモは、ランイチ(ラムイチ)・シンタマ(マル)・ソトモモ(ソトヒラ)・ウチモモ(ウチヒラ)・トモスネの4つに分かれます。肉屋じゃない方は覚えなくて大丈夫(**)b
※()の中の名称は、関西での呼称です。
図解だとこんな感じ。平面図なので、ウチモモの場所がばっちりちょうどここってわけではないのですが、大体こんな感じ。
このどーーんと丸いのがウチモモの全体図。写真に写っていない反対側は、カブリが付いています。
こちらはトリミング後。黒毛和牛の上物の牛肉には、霜降りが入ります。
ウチモモの分割
ウチモモの分割は、お店によって異なりますが、学校でも習うような分かりやすい例を書きます。(西島畜産はこの分割方法ではありません)
(1)カブリを外して、(2)大モモ(ウチモモと呼ぶこともあります)、(3)小モモと孫モモに分割。
(1)カブリ
歯ごたえのある場所なので、薄切り向き。よって、切り落としや細切れになります。
(2)大モモ
この一番大きな塊である大モモ(ウチモモ)をこんな感じで3分割する場合もあります。
分割後の真ん中のお肉はローストビーフ用向きです。
(3)小モモ(左)、孫モモ(右)
小モモは大モモに比べ脂分が少なく、水分が多いため変色が早いのが特徴。
※”大モモ”なので”小モモ”なのか、”孫モモ”なので”子モモ”なのか、悩みましたが、”小モモ”と表記しているケースが多いので小モモとします。
ちなみに、焼肉屋さんで時々見かける“メガネ“という部位は、ウチモモにある寬骨(カンコツ)に付いているお肉で、400g程しか取れない希少部位です。寛骨は眼鏡のような穴が開いているので、そう呼ばれます。
下の画像は牛の寛骨です。
下は食肉学校時代に撮った豚の骨です。寛骨とそれに続く大腿骨、膝蓋骨、下腿骨です。
話を戻しますが、西島畜産では、大モモ(ウチモモ)の真ん中のところを”うちももしん”と呼んでローストビーフや赤身の焼肉用、ステーキに、他の部分は赤身のしゃぶしゃぶ用やすき焼き用のスライスとして使用しています。
英語ではTop Side (トップサイド)又はTop Round(トップラウンド)
オーストラリアとイギリスではTop side(トップ・サイド)ですが、アメリカでは、Top Round(トップ・ラウンド)と呼びます。
下の写真はロンドンのスーパーで購入したウチモモ(トップサイド)。
1kgあたり11.99ポンドなので、100gあたり約180円です。安いですが、お肉のクオリティもそれなり。
スジや不要な脂も付いたままですので、整形をする必要があります。
こちらのお肉はローストビーフにしましたが、ポイントは焼き過ぎないこと。
特にイギリスのお肉は、しっかり火を通すと、固くてパサパサになってしまいます。
イギリスでは、ウチモモはブロック肉で販売されていることが多いですが、ステーキカットの商品も。約150gで1.9ポンド(約250円)でお手軽価格😀真っ赤な赤身肉なので、脂質を気にされている方に〇
以上、ウチモモ編でした😊
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