日英の肉比較 豚肉 ヒレ編


前回の鶏肉に続き、豚肉編です。

豚肉の日英相違点その1 臭みの強さ

日本では、牛、豚、鶏肉がよく食べられますが、イギリスでは日本ほど豚肉が食べられません。
人気順で言えば、鶏>牛>ラム>豚です。

理由は、豚肉の臭み
実際、日本の豚肉よりも臭みが強い(日本で小売販売されている輸入豚肉と同じくらいの臭み)です。

日本人にとってはラム肉というと臭みが強いイメージがありますが、「イギリスではよく食べられるのでラム肉の臭みに慣れているから臭いと思わない、豚肉の方が断然臭みが強い」と、知り合いのイギリス人が言っていました。確かに、日本では豚肉をよく食べるので豚肉の匂いに慣れている、というのもあるかもしれません。

豚肉の日英相違点その2 整形の度合い

整形というのは、スジや余分な脂、脱骨時に取りそびれた骨や骨肌などを取り除く作業を指しますが、この整形作業の度合いがイギリスでは異なります。細かくは部位ごとに紹介します。

さて豚肉は部位が多いので、部位ごとにブログを更新します。
今回はヒレ

日英の肉比較 豚肉 ヒレ編

日本ではヒレは、脂肪分が少ないのに柔らかいので人気の部位です。
脂が苦手な私は、牛豚ともに一番好きな部位です。
一方、ロンドンでは、スーパーや精肉店に置いていないこともよく目にするのであまり人気はないのかもしれません。

ただし、豚ヒレは長細い形なので、ヒレカツが主で、あまり用途のバリエーションがないことがデメリット。実際は、ソテーにしたり、生姜焼きにしたり炒め物にしてもとても美味しいのですが、スライサーでカット出来ないため全て手切りになり、カットが難しいですよね~。

 

ちなみに、西島畜産ではオーダーカットを承りますので、手切りでできる範囲のことはやらせていただきます。ひとくちカットだけでなく、一枚カツ(ロースカツと同じくらいの大きさでのカット)をご注文されるお客様も多いです。最近は、生姜焼き用のカットも増えています。これがスーパーと違った精肉専門店の良いところなので、ぜひお気軽にお声がけください!(^^)

 

話を戻して・・・

ヒレは英語でFillet(フィレ(トゥ))です。

先日、比較的高価格帯の商品を置いているスーパーで購入したこちらは、9.36ポンド/kgと書いてあるので、100gあたりだと0.936ポンド(=約140円)です。
日本の国産よりも安いです。

fillet

大きさは、日本の国産豚のヒレより大きめです。これも小さめを選んだのですが462gもあります。

パッケージを開けると、こんなかんじ。
ぬちゃっとしていますΣ(゚◇゚;) ゲゲッ!
日本でも輸入品の豚ヒレはこんなかんじですよね。ぬちゃっでろっべろーーーというかんじ。だめなお肉です笑

fillet unpackaged

 

ちなみに、西島畜産で販売しているヒレはこちら。
肉がしっかりしていて、色も良し◎。脂もちゃんと付いています。見た目からして美味しそう

fillet nishijima

 

そして、日英に、重大な違いがひとつ・・・。
ロンドンのスーパーで購入したものは太スジが付いたまま!!!!( ゜o゜;)

fillet suji comparison

西島畜産だったら、このまま売ったら店長に怒られます・・・。
食肉学校のテストでも、このままでは大幅減点です!!
日本では、小売販売の時点では必ず取り除くこのスジ。なぜなら、噛み切れないほど固いから。

 

ということで、ヒレのスジの取り方(=整形)を簡単にご紹介。

豚ヒレのスジの取り方(整形)

1) スジの上に乗っている肉(腸骨筋)を取り除く。この際に切り取ってしまうともったいないので、スジの上だけ剥がす感じで。

fillet suji
2) スジの頭に包丁を入れ、持ち手を作る。

fillet suji1
3) スジの頭を持ちながら、スジに包丁を当てて、スジ引きをして、完成。

fillet suji2
4) 他にも、横っちょに付いている肉(腰方形筋・小腰筋)のスジも取り除きます。

fillet suji3
5) 裏側に残骨や余分なスジがあれば除去。西島畜産にはスジ引きの細かいルールがありますが、長くなるので割愛します。

 

この日はヒレカツだったので、ひとくちカット。
ちなみに、肉には繊維の向きがあり、この向きに直角にカットした方が柔らかくいただけます。なので、ヒレの場合は、このようにカットするのが一般的です。

fillet cut

ヒレカツの完成!(^^)

fillet kastu

ちなみに、豚ヒレのスジ引きはある程度練習しないと、スジに肉が付いたり、肉がぼこぼこになったり、そもそもスジが引けなかったりします。

 

また、一般家庭にある両刃包丁ではなく、片刃包丁(刃が片側だけに付いている包丁)を使った方が断然やりやすいです。スジ引きの作業をするために、肉屋の包丁は全部片刃包丁です。
この写真に写っている包丁も片刃。わざわざ日本から持参しましたよ~(^^)

となると、
ロンドンのスーパーで豚ヒレを買う人は、スジの処理はどうしているのでしょうか・・・?
おそらく、スジ付きのまま調理しているのだろう、と思います。。絶対噛み切れないと思いますが( ゜゜;)汗

 

今回調理したヒレカツの感想はというと、
国産豚では感じたことがなかったのですが、ロンドンの豚肉は、ヒレ頭が明らかに圧倒的に固かった・・・。

ちなみにヒレ頭はここを指します。

fillet part nishijima

真ん中の部分は柔らかくて美味しかったです。

以上、ヒレでした!次回はロースかな~と考え中。
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