和牛リブロースの売り方について考える
投稿日:2018年11月14日(水)
ヨーロッパでは、”和牛サーロインばかり売れて、リブロースがなかなか売れない“、という課題があり、今一度リブロースの売り方について考えます。
外国に限らず日本国内でも、特にすき焼きやしゃぶしゃぶといったスライスの売れ行きが下がる夏場に、リブロースは余り易いです。
リブロースの部位についての詳細はこちらに書いたので、割愛します。
リブロースが嫌煙される理由
・間に脂が噛むので歩留まり(=販売できる部分)が悪い
・単価が高い(一頭買いの西島畜産はあまり左右されませんが)
・ヨーロッパに関して言えば、スライサーがないのでスライスとして販売できず、どう売っていいのか分からない。
リブロースの良いところ
・非常に柔らかい
・サーロインよりも安価
・霜降りが美しく、見た目も華やか
日本国内でのリブロースの一般的な販売方法
すき焼き用(しゃぶしゃぶ用)
スライスすることで、脂が程よく馴染みます。極上のすき焼き用(しゃぶしゃぶ用)として販売されています。
日本国内でのリブロースのその他の販売方法
すき焼き以外のリブロースの売り方の工夫です。
・ステーキ用
ロース芯が大きい牛では、肩ロース側でもステーキに使うことができます。
ロース芯が立派なリブロースです。
松阪牛のリブロース。ロース芯が大きく、脂が少ないです。
・焼肉用
リブキャップ、スジや余計な脂を取り除いて焼肉用にカットします。ミートプラザニシジマの特売日で販売しているリブロース焼肉用がこれに当たります。
・リブキャップ、鬼スジを付けたままの焼肉用
大阪焼肉・ホルモンふたごの、”名物黒毛和牛のはみ出るカルビ”は、リブキャップも外さず、固いスジも取り除かず販売することで歩留まりを上げ、利益を確保しています。最近は真似をしている焼肉店も多いですよね。
以前、このカットで販売したら、と店長に提案したら、こんなもんダメだと一蹴されました(^^;)
この赤い丸で囲んだ黄色いのがスジです。
・リブロース一本まるごと焼肉用
脂を削るので、歩留まりはかなり下がります。ピースが小さくなるほど、脂が気になるので。
研修先の京都のヒロさんで一度見かけただけです。
ヨーロッパで和牛リブロースを使ってもらうには
私は、上記の販売方法を組み合わせて、レストランのメニュー構成に応じて提案しています。
こちらはリブロースの肩ロース側。
まずは、リブキャップ(青い部分)を外します。
このリブキャップは焼肉用等にカットします。先日の訪れた日本食レストランでは、炙り寿司用にカットしました。
キャップを外した後は、スライスの需要があれば手切りでスライス。ただし、すき焼き用の厚さが限界。
割と大きなサイズのスライサーがあれば、それを使います。
サーロイン側に近づくにつれ、ロース芯がだんだん大きくなってきます。厚めに切って、リブロース一枚切りの焼肉用にしても良いです。
ヨーロッパはステーキ需要が高いので、ステーキ用カットに。
最後の方はサーロインに続く部分なので、ステーキ向き。ただし、間にスジがあるので、スジ切りをします。
色んな切り方ができるリブロースを、ヨーロッパでもっと使ってもらえるよう、工夫して伝えていきたいと思います(^^)
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