日英肉比較 牛肉 ウデ編
投稿日:2020年04月09日(木)
ウデは、英語でショルダー・クロッド/Shoulder Clod。モモ部位よりも運動量が多いので、スジが多く、細かい筋肉に分かれるウデ部位について😀
ウデ : ショルダー・クロッド/Shoulder Clodとは?
下の図は、牛の枝肉。上がお尻側、下が頭側です。
ウデ (ショルダー・クロッド/Shoulder Clod)は、前脚の方、カタ(マエ)に位置します。
カタ(マエ)が、さらに肩ロース、ウデ、三角バラ、前バラ、ネック、前スネに分かれます。
今回はこのウデ (ショルダー・クロッド/Shoulder Clodの日英比較について書きます。
ウデを脱骨中。肩甲骨を外すところです。
ウデ : ショルダー・クロッド/Shoulder Clodの分割
ウデは、みすじ、うわみすじ(コバンザメ)、かたさんかく(サンカク/クリ)、こさんかく、にのうで(マクラ)、とうがらし(トンビ)に分かれます。ウデは運動量の多い場所のため、筋肉が多く、こんなに分割されるのです。
みすじ : Oyster Blade/Top Blade/Feather
みすじは英語で、オイスター・ブレード又はトップ・ブレード:Oyster Blade/Top Blade。イギリスでは、みすじは羽のような断面なのでフェザー/Featherと呼ぶこともあります。
マニアックですが、筋肉名は棘下筋(肩甲骨の肩甲棘の下)。(”キョッカキン”と読みます。)
うわみすじ : Upper Oyster Blade
うわみすじは、英語でアッパー・オイスターブレード : Upper Oyster Blade。
うわ(上)みすじ=みすじの上にあるお肉です。
英語でも同じように、アッパー(上)・オイスターブレード(みすじ)。
関西では、うわみすじを”コバンザメ“とも呼びます。
赤身肉なので、変色が早い部位ですが、赤身の焼肉用や切り落としに使われます。筋肉名は、肩甲下筋・大円筋。
かたさんかく(肩三角): Triceps Brachii Caput
かたさんかく(肩三角)は、英語でトライセップ・ブラキー・キャップ : Triceps Brachii Caput。筋肉名は上腕三頭筋です。三角形なので、”サンカク”や”クリ/栗”とも呼ばれます。
赤身の部位ですが、A5・A4ランクの黒毛和牛となると、程よく霜降りが入ります。
こさんかく:Anconeus
“かたさんかく”よりも、一回り小さい三角形なので、”こさんかく“。
こさんかくは英語でアンコニウス:Anconeus。筋肉名は広背筋。
にのうで/まくら: Biceps Brachii
にのうで/まくらは英語で言うと、ビセップス・ブラキー:Biceps Brachii。上腕筋です。しっかりした肉質なので、煮込み用に。
筋肉名は、上腕筋と烏口腕筋(”ウコウワンキン”と読みます)
とうがらし(トンビ):Chuck Tender
唐辛子の形状に似ているので、とうがらしと呼ばれますが、関西では”トンビ“と呼ばれることも多いです。
とうがらしの間にあるスジを取り除いて肉を開くと、鳶のような形になるので、トンビです。筋肉名は棘上筋(肩甲骨の肩甲棘の上)。
とうがらしは英語では、チャック・テンダー/Chuck Tenderと言います。
チャック/Chuck=カタ、テンダー/Tender=柔らかい
その名の通り、赤身肉ですが柔らかいお肉です。
ミニステーキやローストビーフ用として使われることが多いです。